ベルリン:3日目。

ゲーテの前で偶然、東京の劇場関係者(指導教官含む)に遭遇し、昨日終わらなかった宿題を慌ててやっているところを目撃される。昨日までは夜とかすごい寒かったのに、今日の射差しは灼熱の熱帯並み。なんとなくお昼をごちそうになってしまったあと、いつもどおり授業に出て、夜はドイツ座にてJurgen Gosch演出、チェーホフの"Onkel Wanja"を観劇。


舞台に巨大な立方体の木箱を乗せ客席側の1面だけぱかっと開けてその箱の中で役者が演技する、という、分かりやすいといえば分かりやすい演出。ヴェロネッセの男女逆転版『三人姉妹』(『溺れる男』)のような大胆な戯曲の読み替えはなかったけれど、役者の演技に客席はおおいにウケていたし、全体的によく作り込まれた完成度の高い舞台、という意味では日本ではなかなか目にすることのできない「良質」な舞台、という印象。


終演後は関係者の一団と夕ご飯を食べ、劇場の斜め前のステイ先に帰宅。帰りが連日遅いので、ホストとぜんぜん交流ができてない。
ちょっとだけ話した時に聞いたところによると、ホストママは文学研究でPh.Dを持ってて、旦那さんのお父さんはなんと90年代初めまでドイツ座で演出をしてた、という。そして娘のマリアンは日本語を勉強してて、来年早稲田に留学を希望してる、という。ゲーテがそういうことも含めてステイ先を手配してくれたのだと思うが、なんだかこの先も続いていきそうなご縁になる予感。