「文学の触覚」

東京都写真美術館にて、「文学の触覚」展。ひらがな一文字に一音をわりあてて、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の文章を楽譜にして音楽を奏でる森野和馬の「谷崎リズム」が面白かった。あと、光る文字を手に取って動かせる、種村弘と石井陽子の「情報を振らせるインターフェース」も。


でも、全体的に、文学の触覚、というよりは、デジタルテクノロジーのちょっとした小ワザを見て聞く、という、鑑賞者の視覚と聴覚へのデジタル的アプロ―チ、にとどまっていたように思う。文字が持つ手触りを、テクノロジーの存在がむしろ消し去ってしまっている、というか。